第21回― 白壁飾る多様なひな人形


横町町家交流館のある八女福島地区は、江戸時代からの白壁の町並みが残る「伝統的建造物群保存地区」です。前回、前々回では八女市発祥の「箱雛」やひな人形についてその起源や込められた思いを説明しました。
今回は来週15日(日)に迫った「八女ぼんぼりまつり」のご紹介をしていきます。
『ひな人形のふるさとが彩る八女の早春』 ■伝統文化が起源八女市福島地区を中心に毎年2月中旬から3月中旬までの約1カ月開催される「雛の里 八女ぼんぼりまつり」は、町全体が江戸や明治時代の「箱雛」や現代のひな人形で飾られる、八女市を象徴する春の行事です。この祭りは、ひな人形やちょうちんの産地としての魅力をアピールするために、ひな人形販売店や観光協会などでつくる実行委員会と市が始めた催しで、今年で29回目を数える伝統行事として地域に強く根付いています。
この祭りの原点にあるのは、八女市の伝統産業の「ひな人形の生産地」としての歴史でした。特に八女市は、江戸時代から1955(昭和30)年ごろまで作られていたひな人形「箱雛」発祥の地として知られています。当時の役人の目から隠れてでも子どもたちの幸せを願う思いに応えるべく、スギやヒノキを利用した二つの箱に、男女のひなを一つずつ収納するよう作られました。また、八女福島の仏壇や大工の副業として注文に応じて作られていたため、衣装には仏具、金具にはちょうちんの一部を利用するなど八女市の伝統文化が集結したひな人形になっています。

一方で、ちょうちんの産地としても知られ、竹や和紙の原料が豊富にそろい、祭礼用や宣伝用など約3000種類の八女ちょうちんが存在しています。この祭りの名称の「ぼんぼり」は、八女市のちょうちん文化にちなんで名付けられました。
■八女の魅力を感じられるきらびやかな祭りへ今ではひな人形の展示公開場所は100カ所にも上り、白壁が特徴的な町家や民家、商店街の店舗の他に当館や「堺屋」「八女伝統工芸館」など、歴史的な町並みと相まって独特な雰囲気を楽しむことができます。特に「八女四季彩館」では、徳川家の姫君らが嫁入りの際に持参したひな人形やその道具など見応えのある展示が行われます。

期間中は、ひな人形の展示以外にさまざまな催し物が行われます。福島八幡宮では、役目を終えたひな人形に感謝を込めて供養が行われる「おひなさま供養祭」や十二単(ひとえ)での結婚式やフォトウエディングが行われます。また、八女福島地区一帯を使った「ぼんぼりスタンプラリー」のほか、八女のおいしい食べ物や雑貨を楽しめるマルシェも開催されます。
「雛の里 八女ぼんぼりまつり」は八女の歴史や伝統文化、町並みが融合する八女市を代表する伝統行事へと広がっていきました。期間中は「箱雛」やひな人形だけではなく、桃色のちょうちんが白壁の町並みを装飾します。
当館でも「箱雛」はもちろん、一つ一つ違う顔を持つ百体以上のひな人形を飾っており、部屋中に敷き詰められた光景は圧巻です。ひな人形で彩られた、普段とは異なるおひな様一色の当館の様子を観覧することができます。ぜひ足を運んで見てください。

次週はいよいよ「雛の里 ぼんぼりまつり」開催です。





